あらすじ本は、ストーリー性のある書評である

最近あらすじの本が売れているらしい。若者は、近代文学と呼ばれる作品の題名程度は知っていても、中身までは知らないことが多い。しかし、この状況は、壮年層にもいえる。
欧米のビジネスマンは、世界的な名著の例を引き、会話に盛り込むのに長けているそうだ。日本人のビジネスマンはどうだろうか。グローバル化されていく社会でいきる者にとっては、社会人になり、年を重ねるにつれ、そんなことも知らないでは恥ずかしい気にもなるであろう。教養が、グローバル社会にあっては、重要であることを認識しなければならない。
あらすじというのは、邪道ではあるが、最近は表現が豊かで読み応えのあるものが多い。私も書店でこの手の本を手に取って読んでみたが、すうっと引き込まれてしまった経験がある。換骨奪胎し、現代的にアレンジすれば、愉しいものができそうだと思う。
あらすじから入って、気に入った元の作品を読んでみる。そんな本への導かれ方もあってもよいのではないか。つまり、あらすじは、ストーリー性のある書評であると考えればよいのである。
ちなみに、一部分を抜粋した本もある。作品の息吹を感じるのには、こちらもよいが、全体像が分からない。あらすじ本と抜粋本、どちらであっても、元の作品につながる読書にしたいものである。

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