原敬の書斎

1918年に第19代内閣総理大臣に就任した原敬は、今の岩手県盛岡市本宮(当時の岩手郡本宮村)に直治、リツの次男として生まれた。無爵平民で首相となった彼の口癖の一つに「没趣味である」という言葉があった。しかしながら『原敬日記』には、「閑得て読書する楽しみほど楽しきものはなし」(明治24年2月22日)とあるように読書をたいそう好み、蔵書は優に1万冊を越えた。その範囲は、和書、漢籍、フランス語の書籍を揃え、分野も多岐にわたっていたという。
原敬は大正4年3月鎌倉の腰越に別荘を新築しており、翌年、質素な、瓦葺きの純日本的なつくりの書斎を増築している。先ほどの『原敬日記』には、この書斎について、「手狭につき書斎一室増室の必要を認め先般らい着手し,今回落成せり,八畳の間一室なり・・・6月完成」と記されている。現在は、移築されて盛岡市の「原敬記念館」で、その書斎となった館をを見ることができる。

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