岩波文庫しおり 「スペードの女王」「ベールキン物語」プーシキン作 神西清訳

岩波文庫しおり001 新古書店で購入した岩波文庫『「硝子戸の中』に挟まれていたものです。実はしおりと一緒に、この本を買った時の、本屋のレシートも入っておりました。

昭和60年9月5日に100円で購入した模様です。この時期の岩波文庫のしおりはデザインが魅力的です。しおり好きには、新古書店でのこんな楽しみ方もあるのです。

 

 

 

 

東京の道事典 

神田の古本まつりに出向いたときに、東京堂で買った。東京堂が出版している本が入り口のショウウインドウに展示されている。その際、この本が、眼に飛び込んできた。

メディアの普及により、東京の出来事は、地方でも瞬時に伝わる時代になって久しいが、東京のことがなんでも共通理解されているかのように、あまりにあたりまえのように使用されている。東京の道についても同じである。この事典には、東京の道が、50音順に並べられており、気になった時に調べたいときにすぐ調べることができる。「青山通り」がこの事典の最初の項目であるが、原則どの項目でも、「概要」「由来」「現状」「その他」について説明されている。
概要は区間について、由来は道の歴史的背景について、「現状」は現在の道路の交通状況、遠藤の様子、周辺地域の特色について記してある。「その他」として、「周辺の道」「繁華街の道」「地図」や諸資料、図が載っている。
NHKでかつてあった番組『ぶらタモリ』もびっくりのうんちく事典である。

東京の道事典 東京の道事典
(2009/04)
吉田 之彦他

研究者のための知的財産ハンドブック 松田 俊治 (著), 牧野 知彦 (著), 宮原 正志 (著), 山本 秀策 (著)

研究者のための知的財産ハンドブック
松田俊治他著 2007
青色発光ダイオードを発明した中村修二氏(米University of California,Santa Barbara校 Professor)が、その発明の正当な報酬を求め、争っていた元所属会社との和解金が200億円だったと記憶しているが、その氏が、2009年3月4日,東京ビッグサイトで開催された「ライティング・フェア 2009」で、白色有機ELの発明者である城戸淳二氏(山形大学 大学院理工学研究科 教授)とパネル討論を行った。これが縁になったのだろうか、今年9月に山形県立米沢興譲館高校記念講堂にて、記念講演会が行われた。
青色発光ダイオードの件以来、科学者の特許や実用新案についての意識が高くなっていることは間違いない。城戸氏のように、製品に活かされるような研究をしている方などは、知的財産が脅かされることがないようにきちんとした手続きを取っていると考えられるし、今やあたりまえのことだろう。
研究者のための知的財産をどう守るために、知っておかなければいけないことから、こんな時はどうするかというトピック別の話題も載っているハンドブックである。

リーダーになったらこの本 鎌田勝

人の上に立つ指導者になる、リーダーになる、管理職になる。そんな立場になるとき、いや、なる前にぜひ読んで欲しい本である。決して新しい本ではない。初版は1989年、時代背景はバブル真っ最中である。しかし、リーダー論の基本がここにあるといってよい。鎌田氏は、

リーダーとは、指導者である。読んで字のごとく、指差して導く力、すなわち方向を指し示し、みんなで進んでいこうと働きかける力である。

と端的に表現している。
マネジメント論を学ぶ多くの者は、組織のトップこそ、「使命」と「ビジョン」を示し、組織を動かしていかなければならないと、十分知っている。でも、あたりのリーダーを見てみよう。どれだけの上司が、向かうべき方向を指さし、その道を目的地に向かって進んでいこうと、みんなに熱意をもって、語りかけているだろうか。

この本では、リーダーとしての考え方、言動について228の項目について述べてられている。単なる、リーダーとしての技術の獲得でなく、リーダーの本質を知り、自身の器の大きさを増してほしいと願うしだいである。

司馬遼太郎の書斎

司馬遼太郎が書斎で使用した;ダーマトグラフが気になる

『坂の上の雲』の作者である司馬遼太郎氏の書斎の写真を以前、サライという雑誌で見た。その写真の中で印象深いものの1つがダーマトグラフという筆記具である。
今ではめずらしい何種類かの色のダーマトグラフが机の上で存在感を主張している。氏が、自分の原稿に、この色とりどりのマーカーを用い、何度も推敲を重ねている様子が想像できる。
さて、ダーマトグラフは、最近ではあまり見られなくなった。若い世代はもしかして名前すら知らないかもしれない。この絶滅危惧種のような筆記具は、昔、色鉛筆をカッターで削らなくともよいということでずいぶん重宝した。芯は太いものの、短くなり、書きづらくなったら、芯の脇についている糸を引っ張ると芯を包んでいたロール紙がくるくるとはずれ、芯が出てくるという代物である。
私が、思い出すのは、学生の時、テストで教師が採点に用いていた赤のダーマトグラフである。あの太さでは、細かい文字を書くことに全く適さないのだが、ほしくてたまらず、ある文房具屋で見つけて買ってきたっことがあった。当時は、ダーマトグラフは赤しかないと思っていたが、司馬氏が使用していたように実はいろいろな色のものがあるのだ。
私が、それを知ったのは、板坂元氏の名著『考える技術・書く技術』を読んだ時であった。板坂氏は、実は黄色のダーマトグラフを読書の時に必ず使うというのだ。板坂氏のダートマグラフの使用法については、今後語るとして、司馬遼太郎氏が、なぜダーマトグラフを使用していたのか。その理由は、一度ダーマトグラフを実際に使ってみて、国民的作家になった気分にひたってみると少しは分かるのもしれない。